相続に関する基礎知識⑥~自筆証書遺言の修正について~

前回に引き続き、自筆証書遺言について解説します。

自筆証書遺言を初めて作成する場合は、以下の記事をご覧ください。

作成した自筆証書遺言を書き直したい

遺言は何度でも更新することができます。

前に作成した遺言を破棄し、新しい遺言を作成することも勿論可能です。

しかし、折角作成した自筆証書遺言を活かしながら、少しだけ変更を加えたいときもあります。その場合、当初作成した自筆証書遺言に対し、法令で定められた方法でのみ、加筆・修正が可能です。

自筆証書遺言の加筆・修正の方法

自筆証書遺言で修正したい箇所に加筆等したい場合、その書き方が法令で厳格に定められています。
この定めを守らないと変更の効力は生じません。

これは、他人による自筆証書遺言への偽造等を防ぐ意味で、非常に重要な定めとなっています。

まず、修正したい箇所を二重線や✖など、分かりやすい形で消します。

次に、追加したい言葉を加えます。取り消した箇所を修文する場合、}のような形の記号を付け、そこに加筆したい文字を記載する形が一般的です。

さらに、上記のように変更した箇所に対して、押印しなければなりません。

また、加筆した旨を別の箇所に分かるように記載します。追記した文字があれば、例えば「●字削除●字追加」としますし、本文の中で取り消しのみ行った場合、追記したい文字を記載します。併せて、必ず署名も行います。

なお、変更した日付を記入することは求められていません。

このように厳格な要件が明確化されており、仮に修正箇所が適法な形で行われなかった場合、その箇所については、もとの記載事項も無効となる恐れが高く、非常にリスキーです。

まとめ

自筆証書遺言の修正の方法について解説しました。

加筆修正は非常に難しく、記載を間違うと当初の遺言の内容でさえ無効とされる危険性があります。

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