【建設業】の許可を受けるために提出が必要な書類について

建設業許可を受けるため、行政庁(役所)に提出する必要がある書類について、ご説明します。

許可を受ける種類について

建設業の場合、はじめて申請する際だけでなく、一定期間経過後、引き続き建設業を営みたい場合や、一度許可を受けた内容に変更があった場合(例えば法人の場合で商号が変わった、代表者に変更があった、など)、その都度、必要な書類を作成し、役所に提出することになります。

手続きを行わないと建設業を続けることができなくなりますので、十分に注意が必要です。

申請の区分は以下のとおりです。

申請区分
(呼び方)
説明
新規現時点で「有効な許可」を、どの許可行政庁(国土交通大臣又はいずれかの都道府県知事)からも受けていない場合
許可換え新規国土交通大臣又はいずれかの都道府県知事の許可から、別の知事許可へ許可換えする場合
般・特新規・「一般建設業」のみを受けている者が「特定建設業」を申請する場合
・「特定建設業」のみを受けている者が「一般建設業」を申請する場合
業種追加     ・「一般建設業」を受けている者が「他の一般建設業」を申請する場合
・「特定建設業」を受けている者が「他の特定建設業」を申請する場合
更新「許可を受けている建設業」を引き続き行う場合
般・特新規
+業種追加
3と4を同時に申請する場合
般・特新規
更新
3と5を同時に申請する場合
業種追加
更新
4と5を同時に申請する場合
般・特新規
+業種追加
更新
3~5を同時に申請する場合

新規に許可を得ると、5年間有効となります。
更新の場合には、5年間の有効期間が満了する日の2か月前から30日前までに新たに更新の申請を行います。

なお、申請に際しては、役所にも処理する期限が定められており(標準処理期間といいます)、例えば東京都の場合は、許可申請書を受け付けてから25日(土・日・祝日等の閉庁日を除く)とされています。

作成が必要な書類について

前述のとおり、申請には新規追加更新の3つのパターンがあり、それぞれごとに提出する書類が異なります。詳しくは以下のとおりです。

なお、新規・追加・更新にある記号については
 ◎・・・提出する書類
 ○・・・提出は必要だが、既に申請したものと記載事項に変更がない場合は、前回のコピーで可
 △・・・必要に応じて提出する書類
を意味しています。

様式番号提出書類 等新規追加更新
第1号建設業許可申請書
  別紙1役員等の一覧表
  別紙2営業所一覧表
  別紙4専任技術者一覧表
第2号工事経歴書(直前1期分)
第3号直前3年の各事業年度における工事施工金額
第4号使用人数
第6号誓約書 ※1
第7号常勤役員等(経営業務の管理責任者)証明書 ※2
第7号の2常勤役員等及び当該常勤役員等を直接に補佐する者の証明書 ※2
  別紙常勤役員等の略歴書
  別紙2常勤役員等を直接に補佐する者の略歴書
第7号の3健康保険等の加入状況
第8号専任技術者証明書(新規・変更)
第9号実務経験証明書
第10号指導監督的実務経験証明書
第11号建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表 ※3
第12号許可申請者の住所、生年月日等に関する調書
第13号建設業法施行令第3条に規定する使用人の住所、生年月日等に関する調書
第14号株主(出資者)調書 ※4
第15~17号の3財務諸表(法人用)(直前1期分)
第18号、19号財務諸表(個人用)(直前1期分)
第20号営業の沿革
第20号の2所属建設業者団体
第20号の3主要取引金融機関名
※1 建設業法第8条の欠格事由に該当しないことに関する誓約書です。
※2 7号または7号の2のいずれか一方のみ提出します。
※3 一般的には支店及び支店に準ずる営業所の代表者=支店長・営業所長 などを指します。
※4 法人のみ提出します。

 さらに、以下の添付書類も必要です。

提出書類 等備考新規追加更新
「許可通知書」の写し許可換え新規申請の場合のみ提出します。
定款法人の場合のみ提出します。
技術者要件を証明する書類・修業(卒業)証明書の場合は発行後3か月以内のもの
・資格認定証・監理技術者証の場合はその写し
登記事項証明書(履歴事項全部証明書)発行後3か月以内のものを提出します。
納税証明書(法人・個人それぞれ)事業税の納税証明を提出します。

さらに、確認書類を求められる場合があります。例えば、健康保険・厚生年金・雇用保険の加入証明資料は、新規・追加・更新どの場合でも確認資料として提出する必要があります。

提出しなければならない書類の多さに驚いたのではないでしょうか。加えて、提出する際の書類のつづり方(並べ方)も指定されています。作成にはかなりの労力が必要です。

許可申請の流れ

  • 様式の提出について

営業所の場所などにより許可を受ける行政庁は異なりますが、1営業所のみの場合、都道府県の建設・都市整備関係部署の窓口に提出することになります。

以前は直接役所を訪問して紙の様式を入手し、必要事項を記載の上、役所の窓口に持参して提出することも多かったですが、現在はインターネットにより様式をダウンロードし、郵送により役所に提出する流れが一般的です。

質問や相談した上で提出したい場合は窓口を訪問し、そうでなければ郵送で提出することが一般的です。

  • 形式的な審査

書類を提出された役所では、提出すべき書類が整っているか、形式的なチェック(審査)を行います。郵送の場合でも窓口での提出の場合でも、この審査が行われます。

  • 手数料の納付

形式的な審査を通過すると、その旨を伝えられますので、所定の手数料を納付します。例えば東京都の場合、新規は9万円、更新は5万円と定められています。

  • 審査および許可

役所側で実質的な審査を行います。内容について問い合わせがあるかもしれません。
問題なく審査を通過すれば、許可となります。許可の通知書を受領すれば、建設業を始めることができます。

まとめ

建設業の許可に必要な書類について、説明しました。新規・追加・更新の区分ごとに作成する書類は膨大で、相当な労力が必要です。

役所の窓口だけではカバーできない情報もありますが、当事務所では専門的な知見から、必要な手続きをスムーズに進めることができます。

なお、役所の発注する公共工事を受注したい場合は、この手続きを行った上で更に別の申請手続きを取る必要があります。これについては別のページで説明します。

関連記事

  1. 【建設業】の許可を受けるための要件について
  2. 【建設業】の許可制度について(手続き総論)
PAGE TOP